外壁塗装の「足場工事」って何?知らないと損する基礎知識

目次

1. はじめに

外壁塗装を検討する際に、多くの方が「塗料の種類」や「価格」に注目されますが、見落としがちなのが「足場工事」です。実はこの足場工事こそ、塗装の品質や安全性を大きく左右する重要な工程です。

この記事では、足場工事とはどんなものか、なぜ必要なのか、費用の内訳や注意点まで詳しく解説します。事前に理解しておくことで、見積もりの正当性を判断できるようになり、不要なトラブルを回避できます。

2. 足場工事とは?

外壁塗装の見積もりを見た際、「足場代」という項目に疑問を持たれた方も多いのではないでしょうか?
足場工事とは、外壁塗装や屋根塗装、防水工事といった高所作業を安全かつスムーズに進めるために欠かせない作業工程です。職人が高所で安定して作業できるように設置される、仮設の作業スペースのことを指します。

足場があることで、職人は塗装や補修作業を細かい部分まで丁寧に行うことができ、施工品質の確保と作業時間の短縮にもつながります。また、足場に設置される飛散防止ネットによって、塗料やホコリが周囲に飛び散るのを防ぐことができ、近隣住民への配慮としても重要です。

足場工事は、工事後には撤去されてしまうため、目に見える形で残るものではありませんが、その存在こそが塗装工事全体の品質を支えているといっても過言ではありません。

2.1. 足場工事の目的とは?

足場工事には、見た目の派手さはありませんが、以下のような非常に重要な役割があります。

目的内容
安全性の確保高所で作業する職人の命を守るために欠かせない。落下事故の防止や、工具・資材の落下リスクも抑える。
作業の精度向上不安定な場所では塗装ムラや作業ミスが発生しやすいが、安定した足場があることで隅々まで丁寧に施工可能。
近隣への配慮飛散防止ネットの設置により、塗料の飛散や騒音・粉塵を最小限に抑えることができる。
作業効率の向上職人がスムーズに移動・作業できることで、施工時間短縮とコスト削減にもつながる。
建物の全面確認足場があることで、普段見えない高所のひび割れや剥がれ、劣化箇所の詳細なチェックが可能になる。

足場がなければ、施工の質は確保されず、安全性や完成度を大きく損なう恐れがあります。

2.2. 外壁塗装で使われる主な足場の種類

現場の条件に応じて、様々なタイプの足場が使い分けられます。それぞれの特徴を理解することで、業者がなぜその足場を選んだのかが分かり、見積もりの妥当性の判断にも役立ちます。

種類特徴
単管足場鋼管(パイプ)を使って組み立てる簡易足場。狭いスペースにも対応可能だが、作業面の安定性にはやや欠ける。
枠組足場組立てしやすく強度も高いため、戸建て住宅などで最もよく使われる。安全性・作業性に優れ、施工品質の安定につながる。
くさび式足場パーツをハンマーで打ち込んで連結する方式で、組立て・解体が早い。狭小地でも使いやすく、住宅密集地にも最適。
移動式足場(ローリングタワー)軽作業や部分補修用に使われることもあるが、塗装全体の足場には不向き。安価だが施工範囲が限られる。

現場環境(敷地の広さ、隣家との距離、建物の高さ)や作業内容によって、適切な足場を選ぶことが工事全体のスムーズな進行と仕上がりに大きく影響します。

3. 足場工事の費用と内訳

足場工事は、外壁塗装における“見えない投資”ですが、工事の安全性と品質において非常に大きな役割を果たします。
一般的な30坪前後の戸建て住宅では、約15万円~25万円前後が相場とされています。ただし、建物の大きさ、形状、足場設置の難易度によっても費用は変動します。

3.1. 足場費用の内訳

以下は、足場工事の主な費用内訳です。

項目内容
足場設置・解体費職人による組立てと解体の人件費。安全に配慮して作業するためには熟練した技術が必要。
資材使用料パイプ、板、クランプ、固定具などの部材費。基本的にリースとなるが、量が多いと費用がかさむ。
飛散防止ネット費近隣や通行人への塗料の飛散防止対策として、足場の全面に設置されるネットのレンタル代。
運搬・人件費足場資材の現場搬入・搬出に関わる車両費、人件費、段取り作業など。
特別条件費(狭小地等)通路が狭い現場や高層住宅など、特殊な条件がある場合の追加費用。クレーンや特殊資材が必要なケースもある。

費用は「㎡単価 × 建物の外周+高さ」で算出されることが多いため、住宅の規模や形状により大きく異なることもあります。

3.2. 「足場代が高い」と感じる理由

塗装工事の見積書を見て、「足場にこれだけお金がかかるの?」と驚く方もいらっしゃいます。その理由は以下のような点にあります。

  • 目に見えない形で撤去されるため、コスト感が得にくい
  • 工事終了後に何も残らない=お金をかけた実感が薄い
  • 広告などでは「足場無料」と書かれている場合があり、比較して高く感じる

しかし実際には、足場工事は“安全性・品質・近隣配慮”の全てを支える基盤です。
適切な足場がなければ、職人は不安定な体勢で作業せざるを得ず、仕上がりのムラや事故リスクが格段に増します。むしろ、足場費用を削減するような業者には品質や安全管理の面で注意が必要です。

また、「足場代無料」とうたう業者の多くは、実際には他項目に費用を上乗せしているケースもあるため、安易に判断しないようにしましょう。

4. 足場工事に関するよくある誤解

外壁塗装において欠かせない足場工事ですが、その重要性が見えにくいため、誤解や疑問を持たれることも少なくありません。ここでは、よくある誤解とその正しい理解について解説します。

4.1. 「足場代はサービスにできないの?」

一部の広告などで「足場無料」や「キャンペーンで足場代0円」とうたわれているのを目にすると、「足場代って削れるんじゃないの?」と考える方もいらっしゃいます。

しかし、実際には足場の設置には専門資格を持つ職人による組立て作業、人件費、資材費、保険、搬入出の運送費など、複数のコストがかかります。これらは決して無料で提供できるものではありません。

「足場無料」の表記は、他の項目に上乗せされているケースが多く、見かけ上の割引に過ぎないこともあります。価格に惑わされず、見積書の内訳が明確かどうかを確認することが大切です。

また、極端に足場代が安く設定されている業者は、安全対策を怠っていたり、使い回しの資材を使用していたりする場合があるため、施工中の事故リスクや塗装の品質低下につながる恐れもあります

4.2. 「自分で足場を組めば安くなる?」

コスト削減のために「自分で足場を組めばいいのでは?」と考える方もいるかもしれません。しかし、足場の組立てには国家資格である「足場の組立て等作業主任者」の取得が必要であり、知識と経験が求められる作業です。

また、高所での作業には重大なリスクが伴います。資格を持たない方が独自に足場を設置することは、法律違反であると同時に、命に関わる非常に危険な行為です。

たとえ低層住宅であっても、足場の不備や設置ミスによって落下事故や道具の落下など、第三者への被害が発生するケースもあります。結果として、想定外の費用や責任を負うことにもなりかねません。

4.3. 「低層住宅なら足場なしでいける?」

「うちは2階建てだし、脚立だけで塗装できるんじゃない?」と思われる方も多いですが、これは大きな誤解です。

脚立やはしごを使った塗装は非常に不安定で、職人はバランスを取りながら作業せざるを得ず、手元がブレてムラが出る、見落としがある、道具を落とすなどのリスクが高くなります

さらに、作業者の安全だけでなく、近隣住民や通行人にとっても危険です。しっかりとした足場を設置することで、隅々まで美しく、安全に仕上げることができるのです。

5. 足場工事の注意点と選ぶべき業者の特徴

足場工事は、外壁塗装の初期工程において非常に重要な役割を果たします。ここでは、依頼前に注意しておきたいポイントと、信頼できる業者を見極めるための判断基準をご紹介します。

5.1. 工期や段取りを明確にする

足場の設置・解体は、塗装工事の「最初」と「最後」に関わる工程です。そのため、段取りのミスやスケジュールのズレが、全体の工期や塗装作業に大きく影響を与えます

優良業者であれば、以下のような点を事前に明確に説明してくれます。

  • 足場設置の日程と所要時間
  • 設置中の騒音や作業範囲
  • 雨天時のスケジュール調整方法
  • 解体後の清掃・最終確認工程

これらが曖昧な場合、工期の遅延やトラブルの原因になることもあるため、必ず事前確認を行いましょう。

5.2. 近隣への配慮ができる業者を選ぶ

足場工事では、トラックの出入り、資材の搬入、ハンマー音など、どうしても周囲に影響を及ぼす要素があります。

信頼できる業者は、以下のような配慮ある対応を行います。

  • 工事前に近隣へあいさつ回りを実施
  • 騒音や塗料飛散に関する説明と謝意
  • 足場が隣家にかかる場合の事前許可取得
  • 作業時間帯の配慮(早朝・夜間の作業制限)

こうした配慮がないと、近隣トラブルにつながり、クレームや施工中止といった事態になることも。安心して任せられる業者は、「技術」だけでなく「人としての対応」も大切にしています。

5.3. 保険加入や安全対策を確認する

足場工事は高所作業のため、転落事故・資材落下・物損事故などのリスクが常に伴います。そのため、業者が以下のような安全管理を行っているかを確認しましょう。

  • 労災保険・賠償責任保険への加入
  • 作業員のヘルメット・安全帯の着用
  • 作業員に対する安全教育の実施
  • 足場解体後の安全確認と清掃

また、保険未加入の業者に依頼した場合、万一事故が発生すると施主側が損害賠償を負担する可能性もあります。契約前には必ず、「保険加入の有無」や「安全対策マニュアルの有無」などを確認しておくことをおすすめします。

6. 足場工事に関するよくある質問(Q&A)

足場工事は専門性が高いため、多くの方が「初めて知った」「もっと早く知りたかった」と感じるポイントがあります。ここでは実際に多く寄せられる質問をもとに、わかりやすく解説します。

Q1. 足場代は絶対に必要ですか?他の業者では「無料」と言われたのですが…

A. 足場代は、外壁塗装や屋根工事において「必要不可欠な費用」です。

「足場代無料」という表現は、実質的には他の費用項目に上乗せされていたり、使用資材のグレードを下げて調整しているケースもあります。足場設置には専門職人・資材費・運搬・安全管理が含まれるため、無料でまかなうことは原則できません。

「無料サービス」には裏がある場合もあるので、見積もりの内訳をしっかり確認し、納得したうえで契約することが大切です。

Q2. 足場って何日くらい設置されていますか?

A. 一般的な戸建住宅の塗装工事では、足場は「設置から解体まで約10日〜14日間」設置されています。

ただし、工事内容や天候によって延びる場合もあります。足場の設置自体は通常1日、解体も1日で完了しますが、作業期間中は安全のために常時設置された状態になります

また、足場を使って高所の点検・補修も並行して行うことができるため、効率的かつ安全な工事のために必要な期間とご理解ください。

Q3. 工事中の騒音や近隣への影響はありますか?

A. 足場設置や解体作業の際には、ある程度の音が発生します。

パイプや金属部材の組立・解体時には「カンカン」といった金属音が響くことがあるため、施工業者が事前に近隣住民へごあいさつを行い、理解を得ることが基本です。

また、足場が敷地を越えて隣家側にかかる場合には、設置前に許可をいただくのがマナーです。優良業者であれば、こうした近隣対応も丁寧に行ってくれるため安心です。

Q4. 足場を設置しないで工事することはできますか?

A. 原則として、外壁や屋根の工事では足場の設置は必須です。

足場なしでの作業は、職人の安全を著しく損ない、作業の精度や仕上がりにも悪影響を与えます。 事故のリスクも高まるため、足場設置を省略するような業者には注意が必要です。

7. まとめ

足場工事は、外壁塗装・屋根塗装などの建物メンテナンスにおいて「縁の下の力持ち」ともいえる存在です。見た目には残らない工程ですが、品質・安全性・施工効率に直結する非常に重要なプロセスです。

ここまでの内容をあらためて整理してみましょう。選びましょう。

確認ポイント内容
足場の役割高所作業の安全確保・塗装品質の安定・近隣への配慮
費用の目安一般的な戸建てで15〜25万円前後
よくある誤解無料で設置できる?→安全面・法令面からも不可
業者選びの基準資格・保険加入・近隣配慮・報告書対応 などを確認
工事期間中の注意点騒音やスペース占有があるため、事前説明と理解が必要

足場工事を軽視せず、むしろ「信頼できる業者かどうかを見抜く指標」として注目するのがポイントです。


失敗しない外壁塗装は、「見えない工事」から始まります。

「どこに頼めば安心?」「足場って本当に必要?」とお悩みの方も、まずはお気軽にご相談ください。

無料の現地調査・見積もりの際に、足場設置の意義やスケジュールも丁寧にご説明いたします。

6. お問い合わせ情報

外壁塗装の費用や見積もりに関するご相談は、以下の連絡先までお気軽にご相談ください。

ゆうじくんのペンキ屋さん 株式会社YJリフォーム
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施工対応エリア: 大阪府内全域
公式サイト: https://yj-reform.com

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